激ロックシンポジウム at 心斎橋クアトロ(2002年3月8日)
--激ロック=骨太?--
もう何度目になるだろう、激ロックシンポジウムを体感するのは。最初に見たのは、昨年のズボンズとの「激ロック」だった。それ以来、ずっと激ロックの毒牙にやられてる...。きっと次の激ロックも体感しに出かけるだろう、私にかせられた義務のように。
3月8日19時、開演時刻通りに『激ロックシンポジウム』の幕は開けた。決して超満員とは言えない心斎橋クアトロだが、回を増すごとに確実に人は増えている。そんな光景がちょっと嬉しくなった。
トップバッターは地元関西から参戦のPAPA'S MILK。今回のステージを楽しみにしていたという言葉通り、熱唱していた彼ら。男らしさと繊細さを兼ね備えた彼らのメロディーに乗せられている歌詞には、風景が多く登場する。そのせいだろうか、哀愁が漂い、妙に切なくなる。ギターには、ハイが多く使用されていたが、どこかに突き抜けたいという思いがあるのだろうか。そんな事を考えながら、歌謡曲っぽさとロックを融合させた楽曲に耳を傾けていた。1曲の中でもメロディーの変化が多いので、なかなか楽しめる。話題の"京都系"の中でも異端児ポスト・エモロックと形容詞されるのが、少しわかった気がした。
チューニングの間にあるMCは、曲のシュールさとは全く違う、「さすが関西人」と思わせる面白さとツッコミを連発。のんびりとまったりと少し冷ややかな目で彼らを見ていた人達も、笑わずにはいられなかった。
19時52分 SEに合わせて手拍子が...GO! GO!71887の3人が登場。姿が見えると、どこからともなく歓声が...今にも暴れだしそうな雰囲気。女の子のファンも多い。私自身も、今回一番見たかったバンドだ。ボーカルとベースの彼女達は、華奢でキュートなのに骨太なギターを聞かせてくれる。あんなに細い身体のどこから熱いパワーが生まれるんだろう。ドラムの彼は、今にもスティックが折れそうなくらい強くたくましいリズムを刻むし...本当に圧倒されそうなほどのパワーだ。厚みのあるパンキッシュな音に重なる、歌謡曲を思わせる切ない歌詞とのミスマッチ感が絶妙。中盤の「ロック」が始まると、会場が揺れ始めた。ゴチャゴチャとモッシュ状態になり始めた客席からは拳が上がる。床がきしむだけでなく、スピーカーも揺れ始めた。凄い熱狂ぶりだ! 汗を流し、髪を振り乱しながら頭を振る。そんな熱狂状態が続き、最後には「心の旅」のカバーが。原曲とは違って、パンキッシュなこの曲は、ちゃんとGO!GO!71887の色になっていて圧巻。元気に溢れ、熱いステージを魅せる彼女達を見ていると、日々のストレスや悩み事がとても小さな物に思えてきた。
20時45分、最後は激ロックシンポジウムの主催者PEAL OUT。今回はいつもと思考を変えたステージになっていた。最初からボーカルがピアノ、ギターがベースという形式。もう何度か激ロックを体験している私も初めての光景だった。SEには、自らの「爆裂世界」をリミックスした物を使用。メンバーが持ち場に着くと同時に"POLICEMAN BACK"、"I fought the law"のカバー曲で幕を開けた。ピアノが入っているからか、少しの優しさとコミカルな雰囲気が出ていて、もう一つの彼らを見た気がした。だけど、根底にある力強さと骨太さは失われていない。ピアノの良さを前面に出しながらも、狂気さを魅せる。加速しながら盛り上がる会場に、どんどん勢いのあるパンチを出していく彼らを見ていると、激ロックなどのライブに明け暮れている中で、本当の"PEAL OUTらしさ"を見つけたのではないかと感じた。
ラスト2曲は、2月に発売されたばかりの"GOOD BYEBLE"と"流浪の光"。レコーディングにも参加しているB.B.B.B.(BLACK BOTTOM BRASS BAND)のメンバーも参加。トランペットやSaxといった管楽器が加わることによって、厚みとゴージャス感がプラスされ会場はさらに熱狂の渦へ。今人気のスカっぽいテイストを取り入れたこの2曲は、彼らの新境地とも言えるだろう。
終演後、アンコールを待ち続ける観客をよそ目に、会場は終わりを告げる。何となく、物足りなさを感じたのは私だけではなかった。みんな、まだまだ聞きたくて踊りたくてウズウズしていた。
個性も表現しているロックも違うのに、今回参加した3バンドに共通しているのは『骨太さ』なのではなかっただろうか。PEAL OUTが選抜した意図はわからないが、『骨太』も一つの『激ロック』なのだと言っているような気がした。
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The official site
PEALOUT
http://www.pealout.jp/
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