buttonPEAL OUT at Shibuya Quattro(24th Sept '02)

--日常を共に歩むバンド--
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 ピールアウトというバンドは夏のフェスがよく似合うバンドである。今年もフジロックやライジング・サンでは好評で、「ピールアウトはいつもフェスの後はお客さんが増えるんだよなぁ」と言う人がいた。自分はライジング・サンで観たのだけれど、ナンバーガールの中尾憲太郎をゲストに迎えて、かなりの盛り上がりを見せていた。こういうストレートな――音だけでなく、姿勢も含めて――ロックはメンソール的なさわやかさというか、夏のフェスにはすでに必需品のようになっている。さて、そのフェス後のライヴはどうだったのであろうか。

 ピールアウトはどんなに激しい演奏をしても、どんなにワイルドなアクションをしても、そこから人柄の良さがにじみ出てしまうバンドである。今度のアルバム『Will』はそうしたバンドの特色がよく出ていて、跳ねるようなポップさとグランジっぽいハードさが混じり、親しみやすいメロディが耳に残るものになっていた。

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「『Will』を表現するために、こういう編成になりました」とMCで近藤が言った今回のツアーは、ベースにRUMTAGをゲストに迎え、その分自由に動けるようになった近藤はヴォーカルに専念したり、ギター、ピアノと音の幅が広がっていた。

 "THE SHIVER CHEERS"から始まり、久々に聴けた"AGAINST"。重たいリフが格好いい曲2連発でフロアを巻き込んでいく。開放的でノビノビしたメロディの"真逆の心臓"、次は心臓つながりで"心臓が動き出すとき"。この曲の語りの部分にアドリブで渋谷クアトロのことを入れたり、最後のところにエコーをかけたりしていつもとは違った印象。歌詞に「Oh yeah! With the soul of THE CLASH」とある"STAY FREE"(カヴァーじゃなくてタイトルが同じだけ)はドラマー高橋のクラッシュへの愛が炸裂する。ちなみに高橋は朝霧でも、その数日後のリキッドルームでも目撃され、ジョー・ストラマーの追っかけと化してました。ちょっとノスタルジック入った"ひとかけらの宇宙"。"スカボロ・フェア"や"メロディ・フェア""ハッピー・トゥゲザー"の名曲のタイトルが織り込まれていて、ピアノの音色が沁みてくるバラード"追憶の旋律"。伸びやかなギターと跳ねるようなピアノと切ないメロディが良い"透明の地球儀"。じんわりと味わい深いバラード"旅人の歌"。高橋のニワトリの鳴きマネで始まるコミカルな"PLANET ANIMALS"、本編最後はピアノが突っ走り、ヘヴィーなベンフォールズみたいな、お馴染み"爆裂世界"。この疾走感とドラムの迫力は体にズシンと響いてくる。

 アンコールに登場して、まずは岡崎がドラム、近藤がベース、高橋が調子外れの ヴォーカルでクラッシュの"I fought the low"をワンコーラス歌って笑いを取った。本当にクラッシュ大好きなんだな。そして"STAND"と"SUCIDE IN YOUTH"。

 二度目は"BEAT FOR YOUR RIGHT"で最後の力を振り絞るように、すべての力を音にぶつけていた。ピールアウトは音楽で別世界に連れていくのではなくて、日常の中でそっと後押しをしてくれるようなバンドである。いつもお客さんと同じところに視点があるのだ。そんなバンドがフェスという非日常でも好まれるというのが面白い。ちなみに数日後下北沢で観た彼らは、ギター、ベース、ドラムの3人のみ、ハードに攻めまくった演奏でそちらも良かった。

「"沈黙の開拓者"!物凄いっスよ。アルバムを聴き込まれたくらいでこの曲を聴けたので良かった。前半、ヴォーカルに徹していたのも良かった」ながた「新しいアルバムの良さがそのまま出てて、充実している感じだった」マーブル

「最後で脳が開いた感じ。"PLANET ANIMALS"でのニワトリの鳴き声に笑わせてもらった」のざき

「"ソウルライダー"が最後まで音程取れなかったのが気になってしょうがなかった」すがぬま

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---setlist---
(協力:マーブル)

1. THE SHIVER CHEERS
2. AGAINST
3. 真逆の心臓
4. 心臓が動き出すとき
5. ソウルライダー
6. STAY FREE
7. 沈黙の開拓者
8. ひとかけらの宇宙
9. 追憶の旋律
10. 透明の地球儀
11. 旅人の歌
12. HEIDI
13. GOODBYBLE
14. 流浪の光
15. PLANET ANIMALS
16. 爆裂世界
--encore--
1. STAND
2. SUICIDE IN YOUTH
--encore2--
BEAT FOR YOUR RIGHT
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button2002

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