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ただ、それら英国のロックの伝統と彼らには圧倒的な違いがある。そして、その違いこそデキシード・ザ・エモンズの素晴らしさがあると思う。それは、とっても解放的ですげー楽しい!その感じだ。その感じが観ている人誰にでも、わかりやすく伝わるのだ。メンバー3人も、それぞれがここで演奏していることを心から凄く楽しんでいるんだろう。本当にロックが好きなんだね。彼らは。
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今回、初札幌の新ベーシスト『ぷーやん』は「ジミヘンのようにベースを弾くぜ!」と紹介され、ネックを立ててベースを唸らせるんだけど、それってジミヘンっていうかWilco Johnsonじゃん!って思って笑った。ブンブン唸りまくるベースは、これから彼らに必要不可欠になるんじゃないだろうか。
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ハッチー・ブラックボウモアは名前も凄いがドラムも凄い。キースムーン直系のオンビート炸裂しまくり。そして、フロア、タム、シンバルと何故かどんどん叩きながらステージ前に出てきてしまうのが楽しい。で、残ったスネアとシンバルとハットだけでまたもや爆音オンビート炸裂!。これは本当に見てて楽しかった。
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Vo&gのアベジュリーはフロントマンらしく、大きなアクションで目を魅きつけられる。そして、MCで「今の若い奴らがロックなんて今どきださいんじゃないの?君たち」と笑いながらも、めちゃくちゃロックなストロークをテレキャスターに叩きつける。もちろん悪意を感じるわけもなく、シンパシーさえ覚えてしまう。
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そうして3人がそれぞれの見せ場を作りながら、会場の熱気が上がってくるにつれ、彼らのグルーヴもどんどん一体化し、更なる熱を生み出す。観客の汗は止まることを知らなくなっていく。鳴らす人、踊る人のそれぞれのブルーズは解き放たれ、ソウルは彼方へ向かおうとしていく。ただ、その空間を作り出したのは音楽の力、それを信じる力をとてつもなく抱えた3人の男たちだったことに、この日のライブを観た人は異論を唱えないだろう。音楽の楽しさとその力を思う存分堪能することができた。
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-- setlist --
グッドフィーリン / ロジャーボイルド(愛の魔法) / Love fly / 4オクロックブルース / オーバードライブ / スモールハーバー / You Can't Judge A Book By The Cover / マッチ箱 / 愛の炎 / ライドン / 『ライ麦白書』/「青春」/ Shake
-- encore --
アイ・ガット・マネー / Sun blues / ダディ・ローリング・ストーン
report by ysmz and photo by Kunihiko Hatase
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