![]() THE DOORSの「THE END」がSEとして流れてきた。普通のライブでは絶対にSEなんかに使われないだろう。その次はBEATLESの「TOMORROW NEVER KNOWS」だった。これで終わりだ、明日のことなんて知ったことか、やっぱりそういうことなんだろう。 「THEMES FROM GODFATHER」が流れる中、クハラカズユキ、アベフトシ、ウエノコウジ、チバユウスケの順で登場し、その歓声が一層高まる。ウエノがベースを高々と掲げるとその歓声は一層高まった。照明が逆光気味で4人のシルエットが映える。その影が凄くかっこいい。それだけで魅せる。優れたロックバンドにしかできないことの一つだと思う。 |
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チバがGRETCHを抱え、頭を垂れている。アベが3連のストロークでギターを鳴らしだす。そのイントロから始まるとは思わなかった。「ドロップ」だ。4人が一気に音を鳴らし出した瞬間、ちょっと腰から力が抜けそうになってしまう。きっとあまりに意外だったのと、音の素晴らしさにやられたせいだ。ロックのど真ん中を打ち抜く強烈な音だ。今年のフジロックでは、MICHELLEが持つ音のスケールがグリーンステージを完全に掌握していたわけだが、その強くて広がりのある音、そしてチバの叫びが会場を圧倒する。ステージの背景の真っ赤なカーテンとアベのテレキャスターのピックガードの赤が、照明とのコントラストに映えて美しい。かつて、2002年のライジングサンでこの曲を最初にやってから新曲をたて続けに演奏して、自分たちの音楽の変化を観客に叩きつけたことがあった。やはり今日は特別な夜なんだろうか。それにしてもあまりに圧倒的な音だし、自分もちょっといきなり頭がおかしくなりそうだ。 |
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「ドロップ」が終わって、オーディエンスを圧倒した後、クハラのスネアが連打されると、歓声がさらに上がり、オーディエンスが狂喜する。「GET UP LUCY」。この、音のコントラストをつけた展開があまりに見事で「ドロップ」に続いてまたもやられたなあと思う。立て続けに「BIRDMEN」。頭のネジが吹き飛びそうだ。アベはソロに入るところで、頭上にギターを持ち上げる。「BIRDMEN」のソロは今日も聴けなかったが、全然いい。それを観るといつも気持ちが高ぶってどうしようもなくなるからだ。その次は「デッドスターエンド」で、たぶんここらで完全に頭がイってしまった人も少なくないだろう。自分は切れた。宇宙の果てまでぶっ飛んでいける、そんな気持ちだ。4人が鳴らすシンプルなロックンロールが巨大な全能感を感じさせる。 |
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![]() 一瞬ブレイクしてチバが「ハロー」というMC。その後はまた意外「STRAWBERRY GARDEN」だった。ポップで明るい曲調に、会場の雰囲気が一変して、幸福感に包まれる。MICHELLEのライブでは珍しい光景だと思ったが、それでも雰囲気ぶち壊しとかそういう感じにはならない。バンドの演奏、チバのメロディが客の感情をがんがん高ぶらせている。曲に力があって、バンドに力があるからできることなのだ。そこから「ASH」でまた雰囲気をシフトさせてから「FREE DEVIL JAM」。ここで我慢ならなかったダイバーが続出する。かなり後ろの方から飛んでいく者も出始める。クハラのヴォーカルはいつもと変わらず力いっぱいなので、こちらもいつもと変わらずグっときてしまう。「デッドマン・ギャラクシー・デイズ」ではチバがギターを置いて、ステージの前面に立って歌う。「銀河を飛び出して宇宙を手に入れろ」と叫ぶ。この場でその宇宙を手に入れているのは間違いなく彼らのほうだ。その宇宙の中で自分たちは無限の踊りを続けたいだけだと思う。 |
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reported by YSMZ and photo by Q-TA MIDORINO |
Part 1 / 2 / 3 / 4 |
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Thee Michelle Gun Elephant is : http://www.rockin-blues.com/ この日のライヴを完全収録したDVD。 必見だよ。 ![]() "BURNING MOTORS GO LAST HEAVEN" UPBH-1115 universal records 写真集『LAST HEAVEN』も必見! |
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