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今年のフジロックで何が残念だったって、ASIAN DUB FOUNDATIONで踊ってるうちに見逃してしまった外道だった。数々の伝説を残してきた彼らが3たび復帰したそのステージを観たものは誰もがその絶賛を惜しまなかった。 KEMURIの伊藤ふみおさんもその一人だ。8月にインタビューした際に「こういうのがアーティストっていうんだよな」とJOHN MAYALLと共に彼らの名前が出されていた。 いいなあ、凄い観たい。でも、もう多分、観られないんだろうと諦めかけていたら、なんと札幌に外道がやってきた。その伝説とも言われる音をライヴで体験することができるのだ。会場に着くまでにわかに信じられなかったのだが、会場に入ったら、その疑問は氷解した。ステージの壁にはちゃんと真ん中に「外道」と書かれている鳥居があった。パネル式だったんだけど。 |
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オルガンの音に笑い声の混じったインストが流れてきて、外道が登場すると会場は大きな拍手に包まれた。Vo &Gの加納のファッションに驚きの声を上げるものもいた。彼の衣装、そして髪型はJAPANオリエンテッドそのものだ。かつて、70年代に世界を狂熱のロックに叩き込んできた彼らは、日本というのがどのように観られているのかがよくわかっていたのだろう。そして、そのセンスは今でも十分新鮮なものに見える。 加納のギターから単弦リフが唸り出し、ベースとドラムが一斉に鳴らされた瞬間、これまで体験せずに伝説として聞かされたものが、もの凄いスピードで理解できてくる感じがした。百聞は一見にしかず。例えば、彼らがかつてとんでもない暴動を繰り広げていたとか、ロードには暴走族が付いて回っていたとかあるけれど、そんなのは瑣末なおまけで、時の流れで通用せずに風化していったものだ。本当に大事なものは、この単弦リフの説得力であり、リフに沿って鳴らされるドラムであり、ベースの音の迫力なのだ。その音に聴き手を腹の底から持ち上げる力があることなのだ。そういう力はシンプルなだけに、時代の風化を超えていける。 |
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彼らの音は言うならハードロックそのものだ。単弦のリフを中心に楽曲を組み立て、ドラムとベースを一斉に鳴らし、その音の隙間にグルーヴを生み出していくということでいうならば、ZEPPELINやAEROSMITHがやっていたようなものなのだ。しかしながら、外道が今ここで鳴らしている説得力は、そうした方法論をなぞるだけでは絶対生み出すことはできない。やはり彼らの音は磨かれ続けてきたのだ。加納のギターから流れ出るリフやブルース、中野と松本のリズムセクションが生み出す重心の低い強靭なビートは、時間をかけて熟成された力が確かにある。 その力が普段、ハードロックなんて決して聴かない多くの日本のロックを愛する若者を納得させていた。最初、何が起こっているのか理解できなかったであろう人々がだんだん踊り始める。会場に明らかに熱がこもって来ている。それはロックの根源的な魅力のようなものが、外道の音に確かに存在するからなのだ。 それは何なのか。単純でシンプルな音の組み合わせをいかに強烈に鳴らすことができるかだ。今、それがここで鳴っている。 |
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reported by YSMZ and photo by Q-TA |
Part 1 / 2 |
外道: http://g-e-d-o.com/ 加納秀人公式ホームページ http://www.geocities.jp/guitarmanhk22/ |
無断転載を禁じます。The copyright of the article belongs to Yasuhito "YSMZ" Shimizu(ROCK'IN'JECTION) and the same of the photos belongs to Q-TA Midorino. They may not be reproduced in any form whatsoever. ==>Back To The Top Page. |