FRF & RSR AFTER PARTY PEALOUT @ Sapporo Bessie Hall (17th Nov.'03)
トラブルに負けないバンドの力 - part1 -
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先月も札幌で深夜の爆裂ライヴをぶちかましてくれたPEALOUTがまたも来札してくれた。この月1ペースはファンとしては非常に嬉しい限りなのだが、バンドは大変なのではないかと思う。でも、また来てくれて嬉しいし、PEALOUTが自由なフォーマットを持つ3ピースバンドなので、いつ何が飛び出すのかわからんということで、ふた月続けてみることになっても、その期待が薄くなるとかそういうことは全くない。
彼らの前には外道が演奏していて、それが終わってから、PEALOUTが始まるまで、50分近くかかってしまった。理由は、見ている方から想像するに、ベースアンプからPAにかけて、何らかのトラブルが発生したようだった。岡崎とPAの係の人とでベースアンプの周りでシールドを抜いたり、交換したりあれこれやっていたので、たぶん、そうだと思う。ここの会場ではめったにこういうことはないので、ちょっと嫌な予感がする。 |
この日は、岡崎がEXPLORERを持ち、ベース近藤、ドラム高橋のフォーマットでスタートした。EXPLORER&マーシャルアンプのコンビネーションで岡崎がフィードバックを鳴らし、ヘヴィなリフが会場に唸る。PEALOUTにギターロックンロールバンドというイメージを抱いていた人はかなり驚いたのではないだろうか。というか自分がかなりびっくりしただけだが、このPEALOUT版ヘヴィロックとも言えるうねりのある曲、凄くかっこいい。近藤の歌も、ちょっとライムっぽくて、言葉数の多い彼の歌詞からすれば、こういうスタイルは全然ありなのだなと思う。まだまだ新しい音の形を模索しているようだ。
しかしながら、ヒジョーに残念なことに、嫌な予感が当たってしまう。ベースの音が小さくて、サウンドのバランスを欠いてしまったいたのだ。心なしか、近藤のヴォーカルもちょっと小さく聴こえる。こういうビートのボトムを跳ねさせる曲でベースが小さいというのはかなり致命傷だ。せっかくのかっこいい曲なのに残念に思った。ただ、それは彼らにとってささいなことだったのかも知れない。
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その後、2曲連続して、高速の激ラウドなナンバーでぶっ飛ばす。先日の札幌のライヴではピアノフォーマットだけだったので、こういう激しいPEALOUTは久しぶりに観るような気がする。この展開に音のバランス云々とか考えてた自分が悪かったとちょっと反省する。音が荒れ狂ってて、ささくれだってて、破綻寸前のギリギリのところでロックが鳴っている。先月で終了した彼らのツアーのタイトルは「響音狂鳴」というものだったが、これこそ、その言葉を音化したものではないだろうか。彼らは言葉を音化するイメージをしっかり持っているのだ。
その荒れ狂った自らを落ち着かせるかのように、近藤が話し出し「春を待ち焦がれる曲」と言って鳴らされたのは「APRIL PASSENGER」だ。凄く久しぶりに聴くような気がする。これから札幌は長くてキツい冬に突入する。だけども、その先には春が待っている。ツアーで何度も札幌に来ている彼らならではの優しさをちょっと感じてしまった。また春になったらライヴで是非聴いたみたいところだ。
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reported by YSMZ and photo by Q-TA |
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