
ツアー初日の今日は、最初こそ堅さが見られたものの、2曲目の"Plastic form"からは勢いに乗った。新譜からのセレクト" Just 1 more kiss!!"、"STARDUST LIFE"の流れは、疾走感溢れる曲からふと立ち止まって耳を傾けたくなるスローなナンバーというメリハリの利いた展開。そこから間髪入れずに"Drive"を持ってきて、今度はお客さんも引きずり込んで走っていく。この次はどう出てくるんだろう? 何が始まるんだろう? 先が読めなくて、続きが気になってどんどんライヴにのめり込んでしまう。本編最後の"Lounge"はもっともブロンディらしさが出ている曲だ。前半の単調なメロディを立体的にする中性的な声。そんな声で「僕らはこのままさ、変わらずに行くよ。間違っていないんだ」なんて歌詞を歌い上げられたら、ジーンとして、涙がこぼれそうになってしまった。胸の奥の奥まで届く音と詞だった。
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今回レポートするthe blondie plastic wagonはギター&ヴォーカル、ベース、ドラムという基本形の3ピースバンド。泣きだしそうなギターに激しく力強いビートをたたき出すドラム、スタイリッシュなステージングで魅せて聴かせるベース。それぞれの出す色がはっきり見えるのが小気味いい。こういうシンプルな構成のバンドだと、いかに個性を出していくかがライヴのポイントになってくるが、ブロンディの場合、最大の武器となっているのはやはりVo.篠原の声だろう。いつでもギリギリのラインを攻めていくような、緊張感のあるハイトーンヴォイス。危うさすら感じるその声は他の人にはマネができないものだし、はっきりブロンディの個性だ。
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