button 東京ピンサロックス / Super Egg Machine
@ Shibuya O-Crest (23rd Apr '05)

変るバンドと、終るバンドと



TOkyo Pinsalocks
 セットチェンジ中、ずっとエレクトロニカな音楽が流れていて、友人がスクエアプッシャーだと教えてくれる。そのSEが終わらないうちからドラムのレイコとベースのヒサヨがリズムを奏で始め、トモッチ!がギターノイズを出して、そのフィードバック音がソニックユースみたいだと思ってるところにナオコが登場して歌い始めるというオープニングだった。歌はギリギリのところで、ポップであって、ノイジーなギターとの相性は良くて、違和感なく耳に馴染む。自分が聞き取れた歌詞は「手のひらの上で転がしてあげる」と、かつて「あなたの手のひらの上で遊んでいるだけ」というように歌った"掌上遊戯"の反対の内容を歌っている。翻弄される側から、翻弄する側へ。久々にピンサロックスを観たのだけど、その間も着実に変わっていってるのだ。

TOkyo Pinsalocks  その変化は既発のCDに収められている曲が2曲だけで、初めて聴く曲が多く、曲によっては打ち込みが使われ、ナオコがキーボードを弾くという音の方に現れていた。以前は勢いを感じさせるハードなものが多かったのだけど、よりグルーヴを重視した横ノリの曲が増え、エレクトロニカ色が強くなったのだ。そんなバンドを観て「常に進化中」というナオコの言葉を思い出した。もちろん、そのノイズ〜エレクトロニカの新しい展開も、ポップであろうとしている意思があって、ちゃんとナオコの声が聞こえてくるようになっている。

 多彩な技で、より音楽的な幅が広がったけれども、基本は歌であるということ、ナオコの歌が真ん中にあってピンサロックスの世界が作られていくのが分かるのだ。ラストは"バブルガール"で、今までの勢いのあるピンサロックスのイメージを作った曲のひとつなんだけども、ここでもナオコのキーボードソロ及び電子音によるノイズが入るというアレンジで見事に改造されていた。3人のハードな演奏を縫って放出される「ミヨ〜ン」とした電子音も、彼女たちの考える気持ちいい音楽の現れなんだと思う。構築と破壊と脱力の三角形の中を思いの向くままに泳いでいる感じがする。

TOkyo Pinsalocks  ただ、何か、もうちょっとメンバーの間に緊張感みたいなものが欲しいと思ってしまう。それは次に出てきたSUPER EGG MACHINEを観ていて感じたのだった。SEMも観るのは久しぶりで、その間にベーシストが抜け、新メンバーを迎えて活動再開になったのだけど、どうやらギタリストとドラマーの方向の違いで解散が決まったのだ。あとラスト2回を数えるだけのライヴなんだけども、これで終るのが非常にもったいないと感じるくらい、骨太で豪快な演奏でありながらメロディは優しく繊細な歌を聴かせてくれた。ギターがレスポールを駆使してハードな音を鳴らすと、ドラマーがどんどんオカズを突っ込んで、バトルをしているようなスリルも感じさせられた。

 もちろん、これで終わるというのもあったんだろうけど、バンドは単なる仲良しクラブではないだろうし、このような緊張感が産み出すテンションが加われば、ピンサロックスはもっとすごくなると思う。SEMのアンコールにトモッチ!が飛び入りしてギターを弾く。なんかセンターに立つトモッチ!は新鮮だった。そのうち他のメンバーもステージに上がってSEMを送ったのであった。


- setlist -

Tokyo Pinsalocks
〜インスト〜 / 1.スウィートルーム / 2.How many personalities? / 3.who am I? / 〜インスト〜 / 4.プルトニウム / 5.WEEK / 6.MONOPOLY / 〜インスト〜 / 7.Johnny, Johnny, Johnny(少年ナイフのカバー) / 8.バブルガール
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