button 激初期衝動シンポジウム ファイナル feat. ロスト・イン・タイム,
ファック・ユー・ヒーローズ,ピールアウト
guest. スロス・ラヴ・チャンクス
@ 下北沢クラブ251 (29th May '05)

一生忘れられないツアーになった。


sloth love chunks

 5月29日、イヴェント最終日、東京。満員の会場、さすがに今日はフロアにドラム・セットは置いていない。あの大阪を越えるライヴが観られるのだろうか? いや、きっと観られるはずだ。だって、激初期衝動シンポジウム・ファイナルなのだから!
Lost in TimeLost in Time

 さあ、2番手はどっちだ? 壊れる準備は万端、とくればファック・ユー・ヒーローズの出番だろう! 曲が始まった途端に、当たり前のようにモッシュ&ダイヴが巻き起こる。正直言えば、よーく聞いていても彼らは何を歌っているのかさっぱりわからない。歌詞はあってないようなもの、に感じる。でも、確かに伝わってくるものはある。ロスト・イン・タイムが歌の力で何かを届けているとするなら、尋常じゃない勢いと大きな笑顔、それがファック・ユー・ヒーローズがメッセージを伝える手段なのだ。
 ゲストのSloth Love Chunksが海の向こうの匂いがする音を奏でた後、ロスト・イン・タイムの登場だ。ゲストを除けば、名古屋、大阪と3連続でイヴェントのトップバッターの重責を請け負う。何をするに置いてもスタートは大事だと思う。ここでしっかりとした土台を作ってくれるからこそ、あとから出てくるバンドは心置きなく暴れられるのだ。フロアを抜けて、ドリンクカウンターや物販席の奥の奥まで届く歌声。どこまでも浸透する声に立ち尽くし、涙する人が続出していた。

Lost in Time
Fuck You Heroes
 そして、名古屋、大阪と続いてきた儀式、ファック・ユー・ヒーローズ+ロスト・イン・タイム&ピールアウトが東京でも繰り広げられる。バンドもジャンルも越える魔法の時間だ。LOST海北氏の暴れようは大阪レポで書いた通りだが、もう一人暴れん坊がいた。「ロスト・イン・タイムのえのもっちゃん(榎本聖貴:ギター)が、人の上でギター弾いてたらどうする!?」と問われるまでもなく、客席にダイヴし、ファンに担がれながら演奏する榎本氏。あなた、本当にロスト・イン・タイムの人ですか? 普段の渋さはどこへやら。これこそ音楽の魔法というものだ。

 最後にRYOSUKEさんがものすごい大声で「ありがとうー!!」と叫んでいた。どんなにかしこまった、丁寧な言葉よりも気持ちがこもっていて、胸に強く響く「ありがとう」だった。
Pealout

 ライヴも大詰め、ここでまた予想外の出来事がおこった。このイヴェントの特徴として、ジャンルを越える、3バンドが入り交じるというのが一貫してあったのだけれど、前2会場ではいずれもファック・ユー・ヒーローズにLOSTとピールアウトが入る、という形だった。それは今日もすでに実施済み。しかし! この最終日、他と同じはずがないじゃないか。なんと、ピールアウトのステージにファック・ユー・ヒーローズのメンバーが登場したのだ! 演るのは"響音狂鳴"〜"LIGHT FOR YOU"。名古屋で観たあの流れが、大阪ではFUCK YOU+近藤智洋だったこの2曲が、こんなふうに形を変えてここまで続いてくるとは。このメンバーでやる激初期衝動シンポジウムはこれが最後だろう。だけど、変化をしながらきっとまだまだつながっていく。続きは来年観られる。そういう予感と希望が芽生えた瞬間だった。
 興奮でざわめく空気の中、ステージではイヴェントの大トリを務めるピールアウトのセット・チェンジが行われていた。アンプとピアノ、両方が準備されている。最後は出し惜しみなくピアノとギターセット共に見せてくれるようだ。名古屋と大阪のステージを合わせたような贅沢さ。まずはギターセット、"真逆の心臓"でスタートしたライヴは3日間の集大成。最初からファック・ユー・ヒーローズに負けないくらいの狂乱ぶりを見せる。ピアノ・セットにチェンジしたあと、途中でピアノが台から落っこちるというハプニングが! それでも演奏は続いている。どうしたら、どんな場面も楽しくできるか。何事もプラスのエネルギーに変えていく、そんな逞しさを感じた1シーンだった。

Pealout
Pealout
 ライヴが終わった後もずっと頭の中に残っているMCがあった。「お客さんとステージの境がないボーダレスなライヴができたツアーだった(RYOSUKE)」「場所がなければ自分たちで作ればいい(近藤智洋)」。これは大阪でやったライヴ形態のような物理的なことも含んでいたし、どこでも分け隔てなくお客さんに飛び込んでいくファック・ユー・ヒーローズのおおらかさや、おもしろいイヴェントがないなら自分たちでやればいい、という精神性も言い表した言葉だったと思う。それから「ありがとう」。どこの会場でも、繰り返し繰り返しメンバーが言っていたことだ。普段何気なく使っているけれど、本気でこれを言うのは実は難しい。だけど、この3日間で聞いた「ありがとう」はどれも本物だった。

 ありがとう、激初期衝動シンポジウム。また、いつか!

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