ピールアウト @ 札幌ベッシーホール (18th June '05)
「ありがとう札幌!」、「ありがとうピールアウト!」
やられた。また、やられてしまった。福岡で見てこのツアーのすごさはわかっていたはずなのに。札幌でのピールアウトはこちらの予想を大きく上回っていた。なにかのインタヴューでメンバーが「最新のライヴがベストライヴといえるようにしたい」と話しているのを読んだ記憶がある。ここで観たのはその言葉を実践するような出来事だった。心に残った瞬間はひとりひとり違うだろう。でも、一生忘れられない場面がたくさんあったことは間違いない。
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ツアー初日の福岡ではアンコールの最後に演った”AGAINST”を皮切りにライヴがスタートした時、1週間前の続きになっているような気がした。ずっと頭の中で鳴り続けていた音がここでまた繋がったような、そんな感覚。でも、これは続いてはいるけれど新しいライヴの始まりだ。初っぱなから全力で気持ちをぶつけあう。フロアの勢いが流れをいい方向へグッと引き寄せた。
2〜3曲終わった時点でステージ上はすでに汗(涙もまじっていたような気がするけれど)でぐしゃぐしゃになっていた。どれだけの思いと集中力でこのライヴに挑んでいるかが目に見えるし、確実に伝わってくる。ガッと盛り上がる激しい曲だけではなく、”April Passenger”や”Lucky Star”のようにじっと聴き入ってしまう曲が終わった後の拍手が暖かいのは、歌がしっかり伝わって、共感できるものになっているからだ。
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ライヴ中盤「大好きな札幌のベーシストを紹介します」と”ピーくん”こと岡部貴明が呼ばれ、4人編成の札幌スペシャルバージョンが始まった。ピーくんはそこにいるだけで雰囲気を変えてしまう素晴らしいベーシストであると同時に、会場に来ている人たちと同じくらいピールアウトの大ファン。ラストツアーのステージに立てる喜びをプレイで表現している。これがガッチリはまって、べらぼうにカッコいい! ベースをピーくんにまかせて身体が自由になった近藤さんはおもむくままに動きまくる。今まで観たことがないくらいジャンプするし、客席に飛び込んでいくし、”C.M.C.”では高橋さんの後ろまで回ってドラムのマイクで唄い始めたり。この解き放たれた感じはこのメンバーだからこそ、札幌だからこそ! だ。全力で楽しむということをステージから見せつけられた。高橋さんは勢い余って立ち上がってドラムを叩いていたけれど、この日、何度ステージの一番後ろ、でも一番高い場所で立ち上がる姿が観られたのだろう。
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3人編成に戻り、ピアノセットにチェンジしてからも上昇気流はどこまでも上がっていく。”ROLLS”で「Shout Cool! Dance Fool!!」の声が近藤さんにあわせてフロアからも聞こえてきたこと、”SATELLITE EMERGENCY”で疾走した後の”Universal Heartbeat”のメロディの美しさ、”GOODBYEBLE”でのかけ合いがいつもにまして大きくこだましていたこと...。数えきれないほどの大切な場面が溢れていた。ひとつも見逃したくなくて、瞬きするのもおしいくらいだ。”GOODBYEBLE”の後「じゃあ、最後の曲です」といわれた時、一瞬「このライヴが終わるの? 信じられない」と思ってしまった。終わらないライヴなんてあるはずがないのに、この夜はいつまでも続くような気がしていたから。そんな空気が流れる中で”爆裂世界”が始まると、「今、世界が終わっても悔いはない」というくらいの勢いで歌い、踊り、叫んでいた。ピアノとベースとドラムが力の限り鳴らされ「札幌大好きだー!!」の声で、終わった... と思っていたら、もう1曲いける! という合図がステージ上でかわされた。本当の最後は明日がこの曲で幸せになる”Sunday Rainbow”。
メンバーから何回も繰り返された「ありがとう」という言葉とフロアからの本気の拍手で本編は終了した。
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”EVERYTHING”で静かにスタートしたアンコール。2曲目で披露されたのは“Peace,Energy And Love On Unchained Time”。ピールアウトからのメッセージが詰まったこの曲に、フロア中の人が一語一句聞き逃すまいと五感を研ぎ澄まして魅入っていた。
しかし、このまま静かに終わったんじゃあ、あまりにもらしくない。”YOU”でもう1回力をぶつけあい、爆発してアンコールを終えた。
楽屋に向かいながら歓声に応える3人に「ありがとー! ピールアウト!!」の声があちこちからかけられた。それを受けて本当にうれしそうに客席に飛び込む高橋さんの姿があった。
満足度はほぼ100%に近づいていたけれど、やっぱりもう少しこの空間にいたい。だからもう一度アンコール。「ここを越えて、どこかでまた会おう」と歌う”OVER HERE”がこんなに切なく、でも前向きに聞こえたことはなかっただろう。そして、本当に最後の最後の曲。叩きだされるドラムとベースのリズムにのって柵に上った近藤さんがマイクなしで声の限りに叫んでいた「Beat For Your Right! Beat For Your Right!! Beat For Your Right!!!」。曲の頭だけでなく、中盤ではフロア横にある階段まで移動し、その上からも叫び続ける。以前、「いつもこれが最後になってもいい、持っている体力から何から全部出そうと思ってライヴをやっている」と話していたことがあるのだけれど、まさにその言葉通りの気迫だった。最後の全員の気持ちが合った「Beat For Your Right!!」の合唱は本当に忘れられない。これで納得&大満足な札幌のラストだった。
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足ががくがくになるくらい長丁場だったし、疲れてもいた。けれど、ライヴの間中ずっと息を止めていてハッと吸ったら終わっていたような、それくらいあっという間だった感じもした。
しっかりと目に焼き付けた、たくさんの忘れられない光景。「ありがとうピールアウト!」。客席から沸きおこったこの言葉が今日のライヴのすべてだった。
Set List
1. AGAINST/
2. The Way/
3. New Chord/
4. 心臓が動き出すとき/
5. STAND/
6. Like A Seagull/
7. Lost In Hell/
8. April Passenger/
9. Lucky Star/
10. BE/
11. ソウルライダー/
12. QUEST
13. NO EXIT/
14. The Shiver Cheers/
15. It’s The End Of The World/
16. C.M.C./
(13〜16、Bass:岡部貴明)
17. 静かな奇跡/
18. HEIDI/
19. ROLLS/
20. PLANET ANIMALS/
21. LIFE/
22. SATELLITE EMERGENCY/
23. Universal Heartbeat/
24. PIANOMAN R&R Shake Shake Shakes/
25. 透明の地球儀/
26. FLY HIGH/
27. GOODBYEBLE/
28. 爆裂世界/
29. Sunday Rainbow
Encore
1. EVERYTHING/
2. Peace,Energy And Love On Unchained Time/
3. YOU
Encore.2
1. OVER HERE/
2. Beat For Your Right
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report by wacchy and photos by q_ta
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The official site
Pealout
http://www.pealout.jp/
The latest album

"Pealout1994〜2005" ( 国内盤 )
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previous works

『ROLLS NEVER END』 ( 国内盤 )
『WILL』 ( 国内盤 )
『旅人の歌』 ( 国内盤 )
『GOODBYEBELE』 ( 国内盤 )
『ソウルライダー』 ( 国内盤 )
『NEW AGE ADVENTURE CALLED"NO HEART,NO TEARS."』 ( 国内盤 )
『TOUCH AND GO』 ( 国内盤 )
『原始進化』 ( 国内盤 )
『YOU』 ( 国内盤 ) and more...
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