近藤智洋 @ 下北沢 440 (10th May. '06)
今伝えたいことを、今の声で。
これは間違いなく"ロック"ですよ。アコギとピアノでの弾き語り。シャウトするでも爆音を鳴らすでもないのに、音の振動を体で感じられる。ステージからの熱がビシビシ伝わってくる。そんなアコースティックライヴあるのか? と思うでしょう。あったんだな、これが。5月10日下北沢440で。
近藤智洋のライヴは毎回いろんな見せ方をしてくれる。このことはマグでも何回も書いているのだけれど、また書いてしまおう。何度言っても言い足りないくらいだから。会場やその日の雰囲気にあわせてじっくり唄うこともあるけれど、今日は力強さの方が前面に出ていた。スタートはピアノで唄う"口笛"という曲から。これはバンド編成のライヴではなかなか聴く機会のない、割と淡々とした曲なのだけれど、そこからすでに抑えきれない熱が溢れてきていたと思う。ギターにチェンジしてからはその熱量は出し惜しみなく発散されていった。視覚的にいうと、近藤さんの回りにもう一回り大きい輪郭が見えるような、そんな感じ。顔つきは歌に合わせてどんどん研ぎ澄まされ、シャープになっていく。ライヴ中にリアルタイムで変化し、進化する姿が見える。そんなことがあるのだ。
空気を突き抜けていくハープが印象的だった"静かな世界へ"では、近藤さんの静かな世界の奥に住む芯のある激しさがあふれ出してきたようだった。冒頭で書いたように歌を耳だけでなく体が感じて、着ているシャツの襟とかまでも震える感覚。ギターと声だけなのに、どれだけ重ねた音よりも強く大きく響いてきた。続く"荒野を抜け、そして戻る。"、"恋に落ちたままで"もまた同様。ゆったり、まったりだけが弾き語りではないのだ(もちろんそういうのも大好きだけれど)。"激アコースティック"とでも名付けてしまおうか。この日、近藤智洋が表現したのはそんな世界だった。最後を静かに締めくくったスローナンバー"ここから"ですら、クールダウンの材料にはならなかった。最後までステージから発せられる空気は高揚したままだったのだから。
声の調子などを見れば決して万全だったとは思わない。だからといって、抜くわけでもなく、無理をするわけでもなかった。今伝えたいことを、今の声で。近藤さんがよく言う「あるがまま」にまた一歩近づいたライヴだった。
※ファースト・アルバム 『近藤智洋』6月14日発売!
アルバム収録曲"静かな世界へ"が音楽配信サイトmf247で視聴できます。
詳細はオフィシャル・サイトで。
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2006
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