ジャズ・ファンク・エキスポ2006 @ 渋谷クラブクアトロ (13th Nov. '06)
ジャズ・ファンク・エキスポ2006
ステージの奥に大きく掲げられた「ジャズ・ファンク・エキスポ2006」の文字。イベントの趣旨が最も分かりやすい言葉で要約されている。この日集まったオーディエンスの層は20代後半から30代辺りが主だったように思えるが、会場の後方にはそれよりももう少し上の世代の姿も見られた。平日にも関わらず多くの人が溢れ、アルコールの臭いが充満する渋谷クアトロ。ジャズとファンクの祭典の幕が切って下ろされた。
先にステージに登場したのはベイカー・ブラザーズ。すでにできあがっている、といったような高いテンションでオーディエンスの前に現れた。嬉しそうにステージ上を歩き回っていたのはドラムのリチャード・ベイカー。体を大きく動かしながらスティックでリズムを刻み、オーディエンスの手拍子を誘う。手拍子のリズムにボーカルをのせたのがゲストのヴァネッサ・フリーマン。そこにギター、ベース、サックスの音が加わることによってベイカー・ブラザーズの音楽が始まった。
サンプリングされたトライアングルの音をベースに、個々が音をのせていく場面も見られたが、これぞ生バンド、といったバンドから練り出されるような心地良いグルーヴがベイカー・ブラザーズの味といっていいだろう。そしてコーラスを、ときには感情そのままを表現しているかのような彼らの“声”がその演奏により温かみを加えていく。ライブならでは気持ち良さを体を張って表現してくれた演奏だった。
ベイカー・ブラザーズの後を継いで登場したのはボストン・ホーンズ。この日集まったオーディエンスのお目当てはボストン・ホーンズだったのだろうか。ベイカー・ブラザーズが登場したとき以上に会場が沸き、フロア後方から前へと移動するオーディエンスの姿も多く見られた。
ルーズなゆるいノリを聴かせるベイカー・ブラザーズに比べると、ボストン・ホーンズの演奏は全体的にカチッとした統率性を感じさせる。はっきりとしたキメのテーマと、その間個々のソロ・プレイを転々と見せるアドリヴ、この2つを軸に会場内の温度を上げていった。
サックスのヘンリー・ダグラス、トランペットのギャレット・サブルク。この2人がバンドを引っぱっていたが、後ろのメンバーも負けていない。言葉ではなく、楽器で自らを主張していく。メンバー個々のソロ回しは結構な回数が行われていた。
アンコールではベイカー・ブラザーズのメンバーが全員ステージに上がる。2バンド入り乱れての大セッションとなった。アルコールも相当に入っていたのだろう。ベイカー兄弟のテンションは特に高い。覚えたてと思われるちょっぴり不思議な日本語を連発したり、携帯のカメラでオーディエンスの写真を撮ったりと、熱演の横でマイペースに楽しむ様子もあった。またドラム交代のとき、左利きのリチャード・ベイカーは、自分のスタイルとは左右逆に配置されたドラムセットに叩きづらそうな様子を見せる場面も見られたが、それでもその表情から笑顔が消えることはなかった。
終わってみれば、その演奏以上にメンバーのとびきりの笑顔が脳裏に刻まれていた。帰り道でその日の演奏を思い返すと、まず頭に浮かぶのがリチャード・ベイカーの姿。あれだけ楽しそうに演奏するプレイヤーはなかなかいないのではないだろうか。異なるジャズ・ファンクの表情を見せてくれた2バンド。あっという間のエキスポだった。
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report bu funabashi and photos by yusuke
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