ジュニア・モンスター @ 下北沢シェルター (19th Dec '06)
幸せな狂乱
Jr.モンスター、10月4日に発売されたアルバム『スターティング・オーヴァー』レコ発のツアーファイナル。結成10周年というキャリアあるバンドが見せた23本に渡るツアーの締めくくりは、熱さと暖かさ、笑顔と狂気が同時に存在する素晴らしくも凄まじいライヴとなった。
下北沢シェルターの中は、Tシャツ&首にはタオルという"暴れる系"ライヴの定番スタイルでスタートを待つ人、人、人。この人たちの背中を見ているだけで、ワクワクしてくる。期待感が伝わってくる。ワンマン、というインフォメーションだったが、シークレットゲストで戦友ハワイアン6とファック・ユー・ヒーローズが登場。それぞれ短い出番なのに熱湯をぶちまけたみたいに会場の温度を上げてしまったのはさすがだった。主役のJr.モンスターを迎える準備は万端。東京に帰ってきた彼らを待つファンの興奮はこの時点で爆発寸前だったのである。
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"ゴースト・バスターズ"のテーマにのってJr.モンスターがステージに現れ、強烈なビートを叩きだすドラムが鳴った瞬間、いきなりモッシュ&ダイヴの嵐が巻き起こる。スタート直前に会場に流された「ダイヴ等の危険行為は禁止です」の警告放送は効果がなかったみたいだ…。メンバーもそんな状況を楽しんでいるように見える。ヴォーカル江島はこのツアー中に足を骨折、座ってのライヴもあったと聞くが、そんなこと「え、折れたの? どこが??」というくらいの勢いで観客を煽り、自身も完全燃焼のアクトをみせる。
熱いライヴとはまさにこれだよな。人を無意識のうちに狂喜乱舞させるリズムが耳に飛び込んでくる、どこまでも真っ直ぐなパンク・ロック。
これだけ激しいライヴなのに、会場を流れる空気には暖かさが混じっている。途中、無事にツアーを終えられること、アルバムを出せたこと、10年活動できたことに「ありがとう」と何回も、照れもせずに言っていた。簡単に言えそうで、なかなか言えない言葉をストレートに口に出せる大きさがあるバンドだから、「熱い、激しい」だけで終わらないライヴができるのだろう。
頭からアンコールの終わりまで、途切れることなく女子も男子も中を舞っていた。前方にいた人たちは相当苦しかっただろうけど、みな幸せそうに苦しがっているのが印象的だった。そのお客さんの前で、ときには中に飛び込んで演奏するメンバーがめちゃくちゃ幸せそうだったのはいうまでもないことだ。
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report by wacchy and photos by ryota
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mag files : Jr.Monster
幸せな狂乱 : (06/12/19 @ Shimokitazawa Shelter) : review by wacchy, photos by ryota
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