モンハン @ 青山月見ル君想フ (21st Dec. '06)
ディ〜〜プなインパクト
白装束集団に色がついた。ライトの具合でよく分からないけど、おそらくオレンジ色になった。衣裳が変っても、奇天烈プログレファンク集団というべきバンドのカラーはそのままだった。
まず、メンバーの登場からして異界に誘われるような感じだ。ヴォーカルの「バ」を先頭に一列になって意味不明のハナモゲラ語のような言葉を唸りながらフロアを通ってステージに上がる。ミニマルな演奏を徐々に盛り上げていって、各楽器が乱痴気騒ぎを起こすかと思えば、フルートやスティールドラムの音で和ませる。以前と比べれハードロック風味は少し後退して、牧歌的な感じが多くなったかなぁと思うけど、パンキッシュな鋭さあり、サンバのラテン乗りあり、ファンクあり、どう聴いてもお経ありと何でもアリな音の万華鏡を見る思いだった。
「何でもアリ」といえば、このライヴに行く前に東京都現代美術館でおこなわれた大竹伸朗展を観てきたのだけど、その膨大な展示量と、現代美術あり、ポップアートあり、写真あり、彫刻あり、油彩画あり、絵本あり、パフォーマンスありと、多彩な仕事ぶりにおれは圧倒された。モンハンも大竹伸朗もいろんなジャンルを食いまくり消化するだけのパワーを感じさせたのだった。
やっぱりヴォーカルの「バ」のインパクトがすごくて、歌だけでなく、その表情や、せんだみつおを思わせる動きが笑いを誘う。ギターのウガジンもベースのケイタイモ・ウジャビンビンの動きと顔芸も磨きがかかっている。言葉を使わずに動きと表情だけで笑わせるのだからすごい。今のテレビの笑いがいかに言葉に頼ってしまっているのか考える。
各プレーヤーもすさまじく充実していて、ベースのケイタイモ・ウジャビンビンは、ビートクルセダーズでキーボードを弾き、パーカッションのヨウヘイ・ボヘミアンは、レゲエバンドのタフ・セッションでプレイし、ギターのウガジンは熊猫(シェンマオ)などのサポートで見掛けるし、キーボード+フルート+パーカッションのチョカンは、パニック・スマイルや町田康のサポートやソロでも活動しているわけで、メンバーそれぞれの雑多なバックグランドを持ち寄って統一したイメージの下にそれぞれが個の力を発揮している。そうしたバンドのあり方が、日常とは切り離された世界を強烈に感じさせる。現実逃避ではなく、自らの手で別の現実を作ってしまうこと。モンハンの音楽の雑食ぶり、そして消化力の強さが、別の世界を作ってしまうことを可能にしている。それは、そのまま大竹伸朗の展覧会で感じたことと同じなのだ。
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mag files : Mong-Hang
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