50回転ズ & レディオ・キャロライン @ 新宿ロフト (20th Feb '07)
ベテランVS若造
満員といっていい新宿ロフト。この大勢のお客さんたちは何が目当てなのだろうか。この日は、50回転ズ、レディオキャロライン、怒髪天の3バンドが出てくる。ベテランのバンドふたつに、若造の50回転ズという組み合わせで、どんなライヴになるのか、ウケるのか引かれるのか、子供が運動会に出るのを見守る思いだ。まずは、この日一番目の50回転ズが出てくるのを待つ。
結論からいうと、その心配は杞憂だった。すっかり東京に定着したなぁと思えるくらいお客さんを掴んでいた。登場から"50回転ズのテーマ"で飛ばしていく。ステージ前では、たくさんのお客さんたちが拳を振り上げジャンプする。
50回転ズは現在、怒涛のライヴツアーの真っ最中で、九州を回ってきて、これからは関東地方を回るというスケジュールだ。九州では今までよりも動員が増えたようで、そうしたバンドの勢いを感じられた。メンバー(とくにダニー)が右へ左へ走り回り、お客さんを盛り上げるアクションが堂々としたものになっている。新曲も何曲か演奏されたけど、勢いで聴かせてしまった感じである。どれも50回転ズらしいロックンロールではあるけど、リズムを変えてみたり、ボギーがリードヴォーカルを取ったりと、新たな試みもおこなっている。
この日のハイライトは、"少年院のソナタ"から"天王寺エレジー"だった。激しく頭を振る"少年院のソナタ"は、お客さんも合わせて頭を左右に揺らす。"天王寺エレジー"では、ステージ脇のPAの前でギターソロを弾いたダニーが、2コーラス目にさしかかったときに、マイクに戻るタイミングを失って、ドリーとボギーにボリュームをさげろという仕種をして音量を下げさせ、生声で歌ったのである。そんな事故(?)に客席から笑いが漏れる。
ライヴを文字通り生のものとして、お客さんと一緒に作り上げるためにどうすればいいのかを、この一年で彼らはすっかり身につけてしまった。アドリブや不測の事態への対処法など、いい意味での余裕が感じられるのだ。ラストの"おさらばブギウギ"は、やってることはずっと変わらないけど、お客さんのレスポンスが大きくなってきている。続くツアーもよく見ておきたいと思う。
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次に登場したのは、レディオ・キャロライン。すごく久しぶりに観たのだが、彼らもずっと不変のロックンロールをやっている。ミッシェルガン・エレファント時代から変わらぬウエノの優雅な挨拶で登場だ。
ソリッドでいながらルーズな感覚もあるロックンロールは、それこそドクターフィールグッドなど50回転ズとルーツは共通しているし、フォーマットは同じといっていいのだけど、出てくる音、そして作り出される会場の空気は、こんなにも違うものなのかと改めて思う。正直にいうと、もうちょっと曲の並べ方に起伏があった方がいいかなと思うけど、メンバーの気持ちよさそうに演奏する姿を見ていると、これでいいのかもしれないなと思ったりもする。なんというか、ロックンロールが骨身に染みて日常になり、その興奮と倦怠を醸し出すことができる大人たちの音という感じなのだ。
そして、次に登場した怒髪天で、新宿ロフトはとんでもない盛り上がりだった。この日はやっぱりベテランのこのバンドのお客さんが大勢を占めていたのだ。やはり増子の兄貴の人気はすごい! と感じた。詳しくはwacchyのレポートで。
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report by nob and photos by sam
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ベテランVS若造 (07/02/20@ Shinjuku Loft) : review by nob, photos by sam
photo report (07/02/20@ Shinjuku Loft) : photos by sam
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