ギー @ 下北沢 シェルター
2度目のワンマン、濃度2倍
濃くなった。前回の、チケット発売即ソールドアウトを受けて決まった、ギー2度目のワンマン。東京での初ワンマンの後、大阪、福岡、名古屋とツアーを回った彼らは、音もステージ上の佇まいもバンドとして醸す空気もすべてが濃密になっていた。メンバーそれぞれの経歴が偉大なことは知っての通りだけれど、もはやそれを説明する必要はなく、ギーはギーとして大きいバンドになっていた。
前日と比べぐっと気温が下がり、小雨がパラつく外に反して、下北沢シェルターの中は汗ばむほどの熱気。前回のライヴは残念ながらチケットがとれなかった人も、運良く観ることができて「また来たい!」と思った人も含め、今回はみんなで観られるのがうれしい。SEの"G/H/E/ E/ E/"にのってメンバーがステージに現れると、また一段、会場の温度が上がった気がした。
G,Vo.深沼が鳴らすギターソロにかぶせるように始まったのは"Never snuff the lights"。これまで、1曲目に演っていた"Beautiful stungun"をはずしてきたところに、スケール・アップしたギーと、前回とは違うライヴにしようという意志が見える。このバンドの最大の特徴といえば、やはり近藤、深沼のツイン・ヴォーカルだ。攻撃的な深沼と静かに熱を放つタイプの近藤。個性の違う声と声の掛け合いが融合したり、ぶつかり合ったりするのが最高にカッコいい。これに加えて、B.Hisayoのコーラスパートも増え、時にはトリプル・ヴォーカルのようにもなる。見た目も音も素晴らしく豪華。自分たちの特徴を生かしつつ、回を重ねるごとに新しい顔をどんどん見せてくれるあたり、本物のライヴバンドの匂いだ。アルバム『GHEEE』収録曲にしても、スマートなロックという印象の音源に比べ、ライヴはもっといかつくて激しい。G,Vo.近藤が表現する、切なさと孤独を感じさせる世界さえ力強く聞こえる。みるみるうちに汗だくになっていったメンバーの姿と、本編ラスト、"Beautiful stungun"での深沼の射るような眼がその激しさを象徴していた。
2回のアンコール含めて約1時間10分。ワンマンとしては短いかもしれない。だけど、ワンマンを観られる喜びは時間ではないのだ。大切なのは、どれだけそのバンドの今を感じ、充実感を得られるか。今日のライヴは120%ギーだった。1時間10分の中で、ものすごくたくさんの音をもらった気がする。「また観たい」「また観なくては!」そう思わせるに十分な濃密さだった。
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report and photos by wacchy
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2度目のワンマン、濃度2倍 (07/09/30 @ Simokitazawa Shelter) : review and photos by wacchy
photo report (07/09/30 @ Simokitazawa Shelter) : photos by wacchy
photo report (07/05/13 @ Simokitazawa Club 251) :review and photos by wacchy
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