button"ワッツ・ゴーイング・オン vo1.1"
feat. ザ・ボゥディーズ、アヴェンジャーズ・イン・サイファイ、ア・フラッド・オブ・サークル
@ 下北沢シェルター (28th Nov. '07)

アヴェンジャーズ・イン・サイファイ & ザ・ボゥディーズ
- ルーキーたちの再会 -

The Bawdies
 満員の下北沢シェルター、この日は出演した4つのバンドのうち、3バンドは今年のルーキー・ア・ゴーゴー(フジ・ロック・フェスティヴァルの公募による新人ステージ)に出ている。主催したa flood of circle(ア・フラッド・オブ・サークル)がそのことを意図したかどうかわからないけど、「07フジ・ルーキー出身」という同期みたいな意識でつながりができているのなら面白い。

The Bawdies 2番目に出たavengers in sci-fi(アヴェンジャーズ・イン・サイファイ)は、ギター、ベース、ドラムの3人組だけど、電子音が隙間を埋めて、汗が滴るような肉体的な存在感と浮遊感を両立させている。後期のスーパーカーやROVO、ポリシックスあたりを足して3で割った感じというか。メンバーのひとりはバトルスのTシャツを着用しているように、シンプルなギターリフの間に複雑なドラムや電子音を詰め込んだ変拍子の曲もある。

 そうかと思えば、90年代前後に現れたマンチェスター周辺のバンドの明るさというか、高揚感があって心躍らせるところもある。今年のフジロックに出たというのに、自分は全くノーマークだった。これだとフィールド・オブ・ヘヴンとか、オレンジコートなどのフジロックでの「奥の方」で聴いても気持ちいいし、熱気渦巻くレッドマーキーで聴いてもいい感じだ。CD買って聴いたら、ライヴよりもエレクトロ色が強いけど素晴らしかった。

The Bawdies 3番目に登場したThe Bawdies(ボゥディーズ)は、1曲目の"I Beg You"からご機嫌なロックンロールだった。ビートルズのようにお揃いのスーツを着た4人が、モッズの香りが溢れ、R&Bやビートルズに影響を与えた50年代のロックンロールに影響を受けた音を出す。

 この日は、2ndアルバム発売を控えて新曲も多かった。バラードもあり曲調に幅が出てきている。ROY(ロイ)の顔に似合わない渋い声がバンドの特徴を際立たせているのだけど、バラードを甘ったるく歌わないことによって、節度というか品位みたいなものが感じられる。だから男にとっても受け入れられやすい。ROYの両脇を固めるギタリストのTAXMAN(タックスマン)とJIM(ジム)は、笑顔で動きまくり、暴れまくりでイキの良さを見せてくれる。最後の方で勢い余ってマイクスタンドを倒したのもご愛嬌で。

The Bawdies 彼らは、見た目も音楽的にもわかりやすい、ひきつける力があるけど、ただ、もうちょっとお客さんたちとコミュニケーションを上手く取るようにすれば、もっともっとお客さんも反応しやすいのだろうなと感じた。メンバーから出てくる言葉も「楽しんでる?」だけじゃなくて、「楽しいだろ! この野郎!」くらいの気持ちのほうが、ロックバンドとして自信も風格もついてくるのだ。幸いにして、多くのものに恵まれているバンドである。ビートルズのように音楽的に進化・深化する道もあるし、スタイルを変えずに研ぎ澄ましていく道もあるし、よりルーツに返って渋くなっていく道もあるし、ルックスを生かしたアイドルになる道もある。前途は暗くないだけに、まだまだ破らなくてはいけない殻があると感じた。


-- setlist --

I BEG YOU / SHAKE IT BABY / I'M IN LOVE WITH YOU (新曲) / BABY SUE / STAY AWAKE TILL THE DAWN / I'M SO LOST WITHOUT YOU (新曲) / HAVE MERCY MISS PERCY / CRAZY FEELING (新曲) / ROSIE / WHIP IT ON ME / SHAKE YOUR HIPS (新曲)


The Bawdies





report by nob and photos by hoya
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