ロドリゴ・イ・ガブリエラ
@ 渋谷デュオ・ミュージック・エクスチェンジ (30th Mar. '08)
日本初上陸は世界仕様で
私が彼らのライブを見るのは、昨年5月のリバプール公演以来。あの日もそう言えばこんな冷たい雨だったなぁ。桜は満開なのになんで最高気温が10度だなんて……。決して安くない交通費をかけての大阪からの日帰り強行スケジュールだったが、見に来た甲斐は十分にあったので、良しとしようか。
ライブの選曲や流れそのものはそれほど変わっていない。だが、その「魅せ方」が進化していた。
めちゃくちゃカッコよくなってるやんか、ロドリゴ兄貴。もちろん以前から観客とのコミュニケーションを大切にライブをしていたが、お客さんのノセ方が、というか、煽り方が、激しくさらに巧くなっていた。
一方のガブリエラはというと、カンペを見ながら一生懸命に話す日本語もやっぱり彼女らしさに溢れていて、英語を話す時同様にちょっと訛っている感じがとってもかわいい。相変わらず、いつもメタル・ポーズで腕を上げますが。
このライブが発表されてから、個人的に一番気になっていたのは観客のノリだった。だが、全く問題なし。1曲目からずっとあんなにアツく手拍子し続けるあたり、さすが日本のお客さん。まぁ"Wish You Were Here"でフル・コーラス大合唱にならないのは仕方ないが、それでも歌わそうとするアニキも面白いし、数名がんばって歌ってくれた人たちには拍手を送りたいと思う。
言葉がある程度しか通じないのは分かりきったこと。「喋るよりも演奏をたくさんするね」と言って、実際、その通りで、MCは英語圏でのライブよりは少ない。だが、今日彼らを見ていて思ったのは、「やっぱり音楽には、言葉の壁を簡単に越えられる力があるんだなぁ」ということ。彼らの曲はインストゥルメンタルであるが故に、伝わりやすい部分もあるのだろう。それでも、演奏する側も、見ている側も、言葉は介さなくても、その瞬間を共有し、こんなにも楽しむことができるのだ。
あ、でも、インストものなのに、歌わせますよ、メロディーをお客さんに。しかも、ジェスチャーだけで。それにちゃんと応えた今日のお客さんはえらいなあ。これならフジ・ロックも大丈夫だと確信。世界中のオーディエンスと肩を並べられるくらいにアツいです、日本の音楽ファンも。観客を3つに分けて、それぞれに違う叩き方で手拍子させるシーンは、ぜひとも苗場にぎっしり集まった人たちを巻き込んで再現してほしい。
今回、ロドリゴは序盤から立ち上がって演奏することが多く、もちろん以前のようにステージを一段降りて弾いたりもする。ちらりちらりとメタルの名曲のフレーズを聞かせる技も健在。ガブリエラの叩きだすリズムも、目の前で見ていても何がどこでどうなって鳴っているのか、やっぱり不思議。そんなふたりの距離感は、以前にも増して絶妙になっていて、いつものごとく「あうん」の呼吸なのだが、まるで夫婦漫才を見ているような感じでもある。
もちろん、そんなステージをサポートするクルーも素晴らしい。南半球をツアーしてから日本に来たのだから、クルーもそのままみんな連れて来ているわけだ。サウンドエンジニアもローディーも映像担当も、ふたりのプレイに息がぴったり。もうどれくらいツアーを続けているのか分からないくらい長い間世界中を周っているだけのことはあるよね、と思ってしまうほど。ため息が出るほどいいチームだよなあと思う。
まさかあの映像を日本でも見られるとは思っていなかったので、モノクロのリアルタイム映像が映し出された瞬間はめちゃくちゃうれしかった。
いまこのタイミングでまた彼らをナマで見られて本当に良かったと思う。やっぱりアーティストは進化するのだ。だから何度でも見たくなるんだろうな、ライブって。
それにしても、ヨーロッパでブレイクし始めてから日本上陸まで5年というのは長かった。しかも「東京のみ」というのは残念だったが、ちょっとでも彼らが気になった人は、まあなかなか海外まで行けないかもしれないし、この夏、フジ・ロック・フェスティヴァルでぜひこの楽しさを体験してみてもらいたいと思う。
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report by miyo and photos by hanasan
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